調理と料理の概念

コラム

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以下の概念は私個人のものであり学術的な理論に基づいたものではありません。

調理とは、食材を加工することによって、そのままでは食することが出来ない物を
食べられるようにしたり、あるいは食することが難しいものを食べられるようにしたり、また、美味しいものにしたりする技術、すなわち「食品工学に基づく専門的な技術」のことを云う。
調理とは、人間が生きていく上で必要な技術であり、この技術は地域、人種、年齢、性別の関係なく不可欠なものである。すなわち「文明」といっていい。

それに対比して、料理とはこの技術を前提とするが、地域、人種、年齢、性別、食のシ ーンに加えて、芸術、心、歴史、宗教、生活階層、など食材以外の要素が縦横に絡み合って根付くものであり、人間の精神に大きく影響するものである。
すなわち「文化」といっていい。

たとえば、伝統的 な「和菓子」などは、食文化として位置づけることが出来るものと思う。
このように、料理が文化として 「人間の精神に大きく影響するもの」であるならば、特に物が溢れる現代に於きましては 益々重要な課題と思います。

以前は「お袋の料理」に代表される家庭料理が当たり前の姿でしたが、いま、その家庭に調理がはびこり、その家庭独特の料理が少なくなっているのは実に心配なことです。

お袋の味を囲んでの家族の会話。そこから理屈抜きの人間性が、育まれるのでは無いでしょうか。

2008/11/14 Yahooブログより転載

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